起業するには悪い時期?(Updated)

「起業するには悪い時期よ」。

Flickrの共同創始者である、Caterina FakeがBlogに書いている。彼女はVCであるThe LudicorpのMarketing&Community担当Vice Presidentでもある。
元々はデザイン系の人で、Salon.comのArt Directorだったり、McDonald's, Levi's, Nikeなど、Fortune 500企業の数多くのWebサイトを手掛けた経歴を持つ。

その彼女が言うには、先日、Matt(GoogleのMatt Cutt)と「起業するには良い時期だ」と皆が言ってることについて会話し、双方とも「むしろ、悪い時期。特にベイエリアでは最悪の時期だ」ということで一致したらしい。その理由として6つが挙げられている。
  1. 誰もが会社を始めている。狂ってる。テクノロジー系の会社を辞めた人はMicrosoft, Google, Appleといった会社には行かずに起業しているけど、この状況では全部をトレースしきれない。ノイズだらけで、(起業した会社の)製品に注意を払うことはできない。
  2. 競争相手もファンドを得る。500万ドルを銀行から出資してもらったとして、競争相手も同じ。起業者は自分が成功することを望んでいるが、VCは賭けが全てが成功することを望んでいる。つまり競馬に放り込まれるのと同じ。誰も望んでないけど。疲れるし、高くつく。
  3. 才能が枯渇している。Wench.comのことで、PHPを書けるプログラマを探そうとしたら、どこにも居やしない。
  4. 無名ではいられない。2002年のネットバブル崩壊後の頃と違い、人知れず、密かに何かをやるということができない。
  5. Web2.0が全てではない。魔法の弾丸でもない。Web2.0は機能ではなくて「機能ANDビジネス」。Taggingは疑いなく素晴らしい機能だけど、Flickrはブレーク・イーブン。(Yahooに)吸収された後、悪に傾こうとしている。
  6. とにかくイベント多すぎ。毎日がマッシュアップ、TechCrunch(Web2.0の有名ブログでWeb2.0 WorkGroupの創立メンバー)のパーティ、TagTuesday(Tag開発者の情報交換の場)、SuperHappyDevHouse(ベイエリアにおける開発者の出会いイベント)、SXSW(音楽やメディア系カンファレンス)、その他カンファレンスあれやこれや。誰がユーザーと対話し、コードを書き、UIを調整してるのか?
ベイエリアの外にはいくつかの素晴らしい製品やビジネスがあって、彼女はそれらへのアドバイスを行っているらしい。バンクーバーにあるBunchballとかNow Publicの名を挙げている。ベイエリアの外で活動するにあたり、「ハイプ抗体が、ちょうど効き始めているから大丈夫」と皮肉っているのが面白い。

でも、コメントは反論や皮肉だらけ。「Relax, nobody will eat into Flickr's marketshare」とか(笑) 「自分がちょっと成功したからって、いい気になりやがって」というところでしょうか。あと文面からは、彼女はFlickrがYahooに買収されるのは反対だったように読めますね。ちょっと意外。「GoogleやYahooに買収されるための起業なんて」と書かないのはFlickrがYahooに買収されたという当事者ゆえか。
Caterina.net:It's a bad time to start a company:
I was having a conversation with Matt the other day about how people are saying it's a great time to start a company. We both did the skeptical cocked eyebrow thing: it's a terrible time to start a company, especially here in the middle of it all, in the Bay Area. Why?

日本ではベイエリアに相当するのは、シブヤになるんだろう。ホリエモンの事件やアメリカ人のような楽観主義の有無が違いにあるとしても、これほどの起業ブームが来るかどうか?

一方で、会社で後ろに座っているオジサンが、先日、子会社を一つ立ち上げる手続きをササッとやってて「意外と簡単なんだなあ」と思ったが、会社法も変わることだし、全共闘世代というか団塊世代がこのベイエリア並みに「狂った」起業ブームを引き起こす可能性もまだ否定できない。スローガン次第か?「今こそ、紙と鉛筆でWeb -2.0!!」(2.0ではない。-2.0)だったりするかもしれないが(笑) ○○さんがこのブログ読んでたらシバかれるな...。

*3/26 追記*
波紋が大きかったようで、さっそく、BaseCampなど一連のシリーズで有名な37SignalsのDavid Heinemeierから、It's a great time to start a business - Signal vs. Noise (by 37signals)という反論が出ている。
  1. You don't need VC diesel to get your motor running.
    起業にVCなんて不要。3ヶ月くらいがむしゃらにやれば、今なら離陸できる。
  2. You can actually charge money for valuable services.
    価値のあるサービスなら、どうやってユーザーにお金を払ってもらうか考えるのに時間を費やすなんてバカげてる。
  3. You don't need mainstream tech to make a dent.
    メインストリームの輪の中で人材を探すのは大変だろう。でも、新しい技術やツールを考えればいい。僕らがRuby+ROL(Ruby On Rail)を採用したようにね。
  4. You don't need to live in San Francisco to make it big.
    むしろ、Bigにしたいならサンフランシスコで無いほうがいいかも。Basecamp, Backpack, Tada ListやWriteboardはデンマークのコペンハーゲンで作ったのさ。
  5. You don't need a swarm of worker bees to take off.
    たくさん人を集めるのは困難だけど、そんなことする必要はない。少人数でやればスピードは早くなる。人が多いとスピードは低下する。
そして、「Web2.0ロト宝くじ」に賭けてるなら、つまり、GoogleやYahooに買収されるゲームに参加するための起業なら、Caterinaのいうことには同意すると。つまり、俺たちはそんなに目線は低くないぜ、っていうことね。コメントを読んでみたけど、だいたい「賛成」「同意」が殆どのようです。


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