なんちゃってジャーナリズム vs リアル・ジャーナリズム

stephen2005 Word of the Yearに輝いた「Truthiness」という言葉があります。証拠の有無に関係なく「そうあって欲しい」と思わせる性質のことだそうです。元々、オックスフォード辞書に「誠実さ」の方言として掲載されていたこの用語を再定義したのが、米コメディアンのStephen Colbert。今や夜に放映されている彼のThe Colbert Reportは風刺として多くの人が視聴しているようです。

そのStephen Colbertが、4/29にホワイトハウスで開かれた記者団とブッシュ大統領らの夕食会で、約10分間、イラク侵攻や支持率低下などについて、辛らつなスピーチをしたのが騒ぎの発端。ホワイトハウスの機構改革は単にタイタニック号のデッキチェアの整理みたいだと例えるメディアについて、「違う。この船は沈んでいない。沈んでいるんじゃなくて浮いているのさ。(爆発する)ハイデンベルグ号でデッキチェアの整理をしているのだ」てな感じ。このスピーチは3部に分けてYouTubeなどにアップされています。
さっそく、スピーチ内容のテキストが起こされています。
Democratic Underground - COMPLETE TEXT (clean copy) - Full Video - Great Pic of Colbert:
Thank you ladies and gentlemen. Before I begin, I've been asked to make an announcement. Whoever parked 14 black bullet proof S.U.V.'S out front, could you please move them. They are blocking in 14 other black bulletproof S.U.V.'S and they need to get out.

Wow, wow, what an honor. The White House correspondents’ dinner. To just sit here, at the same table with my hero, George W. Bush, to be this close to the man. I feel like I'm dreaming. Somebody pinch me. You know what; I'm a pretty sound sleeper that may not be enough. Somebody shoot me in the face.
...(continued)
で、ブログ界では徐々に騒ぎになっているようです。その理由は大統領および関係者を横あるいは前にしての凄い発言の数々もさることながら、既存メディアがこのことを全くといっていいほど取り上げなかったから。ABCニュースロイターシカゴトリビューンなどはほぼスルーといっていい扱い。ABCに至ってはアワードはThe Associated PressのDeb Riechmannと自社のTerry Moranだなんて言ってますねえ。

ところで、このスルーについて取り上げている代表的な記事はこれ、かな?

逆に、メディアが取り上げなかったせいでバイラル(口コミ)になったのだという皮肉な分析をしている人もいる。
Daily Kos: Harry Taylor v. Stephen Colbert:
Where the media fails, the citizens step up. The Colbert critique has gone viral, with internet users rapidly emailing it to thousands online (I've received three forwards of it already). So go ahead, give life to Colbert's Harry Taylor moment. Email the video to your friends, your family, Republican, Independent, and Democrat alike. I have, and in doing so, I know that Stephen Colbert speaks for me.
実のところ、それほど騒ぐことなのかどうか僕は判断しかねている。「なんちゃって」ジャーナリズムにやられてしまった既存ジャーナリズム側の意見は聞いてみたい気がするのでもうちょっと注視かな。。。G/W中でもあるので、また時間を置いてから書きます。

*Updated 5/4 #1*
ニューヨーク・タイムズが、5/3付で遅まきながら取り上げた模様。Fox Newsは「Inappropriate, Over the Line, Not Very Funny」と無視は当然と言っていて、これに言及したブログへのコメント欄が活況を呈している。
*Updated 5/4 #2*
Colbertの取った行動を支持するためのブログができている。コメントの書き込みが34788を超えている。すごー。
Thank You Stephen Colbert.:
A president runs criminally amok, dismantling the American democracy.

The press, cowering, forgets its obligation to the citizenry.

A comedian emerges as the Edward R. Murrow of our day.

This site is a Thank You to Mr. Colbert.
月曜日のThe Colbert Report (wmv)。晩餐会の感想を述べるColbertにスタジオは拍手喝采。
White House Correspondents Dinner
-- The President has very soft hands. He must wear gloves when he's clearing that brush.
*Updated 5/5*
YouTubeのVideoは削除されて、別のサイトで復活。satomiさんコメント情報によるifilmとか、BoingBoingのWhy was Colbert press corps video removed from YouTube?にも復活Videoのリンク情報や消された経緯の記事があります。


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15 件のコメント:

satomi さんのコメント...

はじめまして。楽しいブログですね。動画は先ほどiFilmが復活させたようです。
http://www.ifilm.com/ifilmdetail/2723919?pg=latest&htv=12

まだまだ続きそうですね。ではまた!

xpotechi さんのコメント...

VideoはC-SPANがYouTubeに削除依頼出したようですね。復活情報ありがとうございます。
SatomiさんのLong Tail Worldでもこのニュースを取り上げていらっしゃるようなので、そちらも読ませて頂きます。Bay Area在住とのことで、この話題というかMedia2.0的な話でもきっと盛り上がっているんでしょうねえ。また続報を期待しています。

satomi さんのコメント...

technoratiのfavoriteに加えさせていただきました。ワタシのブログにweb2.0ブロガーのTechCrunchとマーキュリー、エバンゲリストJoiItoと一緒に更新タイトルが出ます。よろしくよろしく。笑

xpotechi さんのコメント...

ひぃ~、さっき見たら、出てましたがな...。TechCrunchやJoiIto氏に挟まれてタイトルだけは異彩を放つ犬の記事(笑)ありがとうございます。

根越 さんのコメント...

http://video.google.com/videoplay?docid=-869183917758574879
スティーブンコルベアのこの動画ファイル、ローカルPCに保存しておきたいんだけど…。

xpotechi さんのコメント...

これでどうすか?

(1)コンパクト版(QuickTimeムービー,26.5MB)
White House Dinner.mov

(2)通常版(QuickTimeムービー, 各20~30MB)
ブラウザキャッシュに溜まったのを保存します。Firefoxなら、「Tool」→「PageInfo」→「Mediaタブ」と移動し、Typeが"Embed"となっている行を選んで「Save As」で保存します。

1 of 3 http://www.devilducky.com/media/45111/
2 of 3 http://www.devilducky.com/media/45146/
3 of 3 http://www.devilducky.com/media/45147/

消されるかもしれないので、お早めに。

satomi さんのコメント...

「奥様は魔女」にちょい役で出たときはコルバート、CNNもコルベール、けっこう孤独だったんですが、なんか、ここにきて町山智浩ブログがコルベア、コルベア騒いでくれてるお陰で急に人波が…押し寄せてません?  無力だな~>我々

ラジオ録音さっき聴いたら「まだ日本では誰も報じてない」と仰ってたので、そこだけは「maclalalaのシロー氏が動画削除の異変に気付き、その前日にXpotechi氏が当意即妙なタイトルで現象を総括していたんだぞ~」とここに書いておきますね。

xpotechi さんのコメント...

なんかStephen Colbertでググって来る人すごく多いと思ったらそういうことだったのかあ...。納得ですわ。

根越 さんのコメント...

Google の実験的サービスで、「このキーワードは、世界中のどこで一番多く検索されているか?」というのを調べるものがあります。ここで stephen colbert を調べてみると、やはりあのスピーチ以降、急激に検索数が増えています。とは言っても、まだまだ日本からの検索はランキング上位に食い込んではいませんが。
http://www.google.com/trends?q=stephen+colbert&ctab=0&geo=all&date=2006

satomi さんのコメント...

あ~眠れない。町山氏(あの訳は死ぬよね!!命知らずなことするなぁ)、アンカテで訳・反応・解釈、ついでにワタシのどうでもいいコメントなんかが辿っていただけやす。コルベア動画をローカルにおきたい根越氏って、いったい何者?あれ結構重いですよ~。今日見つけた軽いのです→9.9mb WMV
では、おやすみなさい。

xpotechi さんのコメント...

町山氏もsatomiさんもベイエリア在住のようなのでリアルに話されたりするんですか?「隠れた方がいいわよ」とか(笑)ま、とにかく寝てくださいまし。
いやー、5/20にあんな議論が繰り広げられているとは...。僕はブッシュ政権みたいなのが出現したそもそも論として、政治形態みたいなところ(人気取りをせざるを得ない, 民主主義の弊害)に根があると思っているので、あのスピーチはわりとクールに見ています。歴史は繰り返す、みたいな。
言わずもがなの部分はあるにせよ、向こうのブログ界は、真意とか解釈云々では盛り上がっていないような気がしますがどうなんでしょ? 僕的にはsatomiさんが指摘されていた「今年はYouTubeがあった」という話の方が興味をそそりますけど。

ところで、Barbara Bush: Things Working Out 'Very Well' for Poor Evacuees from New Orleansといった奥さんのバーバラの活動は、「何事にも喜びと痛みがあるのよ」というメッセージで反撃を試みている感じがしますね。

根越 さんのコメント...

何を隠そう(何も隠してないけど)、町山氏のブログで colbert を知りました。キューバ危機を描いた映画「13DAYS」の特典ディスクにヘレン・トーマスが出ていて、頭の回転が速い記者がいたもんだと感心していましたが、この記者協会晩餐会にも出ていて二度びっくりです。動画を保存する目的は、聞き取れなかった単語を、何度も見て補完するためです。xpotechiさん、satomiさん、ありがとうございました。C-SPAN からDVDを購入することも考えてみましたが、resion free のディスクとは思えないし、見積送料40$(日本まで)を考えて、断念しました。

satomi さんのコメント...
このコメントはブログの管理者によって削除されました。
satomi さんのコメント...

酔っ払って妙なコメント残してしまいました。オープンな場なのに。さっき気付いたんですけど町山氏ブログが遅れたのは日本のメディアに流すまでブログに出さないっていう配慮だったのかも。コルベア表記をこんなに広めてくれたのに悪いこと書いちゃいました。猛省中。えっと、フォローアップの原稿です。
コルベアの何が事件だったのか:Followup on Stephen Colbert

tanakahidetomi さんのコメント...

はじめまして。記事面白くよませていただきました。経済系ではバーナンキFRB議長の「失言」の方が話題になっております。以下の私のブログで貴ブログを参考にちょっと投稿させていただきました。

http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20060525