進んでいるのはどっちか?

Damn Interestingでアマゾン奥地のピラハー族(Pirahã)のことと取り上げていました。記事にしようといろいろ調べていて深みにはまってしまった。

彼らには、数字や歴史の概念がない。1、2、あとは「たくさん」。それに1も厳密に1ではない。「ちょっと」というくらいのニュアンスだそうだ。だから5とか10は区別できないとのこと。何故そうなのかということについては、言語が鍵のようだ。言語が文化を支える。人間には天性として数の概念があるという人もいるらしいが、これはそれへの反証になるみたい。彼らの言語は世界で音素の数が最も少ないのだが、その言葉の中には、当然3や5を表す言葉はない。ゼロ(0)もそうだろう。また、色を表す言葉も時制もないそうだ。「When I have finished eating, I would like to speak with you.」は「I finish eating, I speak with you.」のようだと。なんか昔見たインディアン映画にあったような...「私食べる。オマエ話す」みたいなの。

これを読んで、satomiさんのLong Tail World: [japan]英語で午後12時はランチタイム:12am is noon in Japanクリボウの Blogger Tips: 0 時台はありませんで書かれていた、12時間制におけるゼロの話を思い出した。12時間表記はアナログ時計から来た、つまり、丸い時計の文字盤は「12,1,2,3...」となっていて、0がない。古代ギリシャ人もローマ人もゼロの概念がなかった。「0(zero)」の概念は古代エジプト文明やマヤ文明等であったらしいし、数としての「0」を発見したのはインド人。10進演算が生まれたのはその後だ。

そう、概念がなければ「0」のように輸入すればいい。僕が興味を持ったのは、ピラハー族の人々が、200年前からブラジル人との交流はあったにも関わらず、文化を変えず言語も滅びなかったこと。いや、逆だな。言語が滅びなかったから文化も変わらなかった。言語というか国語の重要性は「国家の品格」で有名になった藤原正彦氏(新田次郎と藤原ていの次男)による「祖国とは国語」で、言語を同化させられた琉球やアイヌの人々がその後どうなったかといった指摘で納得してたんだけど、このピラハー族のことを知るとまた疑問が沸いて来た。
  • 彼らは困っていないらしい。餓死することもあるらしいのに。数の概念は本質的に生活レベルで必要ない?
  • 彼らはどうやって外部から自分の言語を守り続けているのか?何故概念を輸入しなかったのか?外部の概念を「便利」として取り入れる必要がないと考えているとしたら、それは何故?
  • 我々の概念を単に理解できないだけ?(うーむ、200年もあったんだしなあ)
  • ほとんど寝ない(15分から2~3時間のうたた寝だけ)らしいのだが、何か関係あるのか?
といったことだ。とりあえず、Language Logに彼らの数の概念を試しているビデオがあったので紹介しておくとして、僕自身はもうちょっとこれを調べてみます。言語学の勉強したいわけでもなんでもないんだけど、なんか気になる.....。
Damn Interesting » Another World:
The Pirahã are terrible mathematicians, unable to do even simple addition. Then again, it's difficult to do any sort of calculation when you have no concept or words for exact numbers. There are really only three numeric words in Pirahã - 'one,' 'two,' and 'many.' To add to the confusion, 'one' doesn't always mean exactly one - it could mean one fish, a small fish, or only a few fish.

Movie: a Pirahã participant using fingers and Piraha count words to enumerate quantities
(Source : Language Log: One, two, many -- or 'small size', 'large size', 'cause to come together'?)

piraha

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んー、何のブログかわからなくなってきた(笑)
Googleネタ期待して来られた方、スマセン。あと、Bloggerはこのページの分しかRecent Commentが表示されないのでわかりにくいのですが、Colbertの件はSeven Degrees: なんちゃってジャーナリズム vs リアル・ジャーナリズムで一応、コメントがサゲ進行中(笑)