コミュニケーション力 = 現代国語力?

国語の先生ブログの続編です。

「東大国語」入試問題で鍛える! 齋藤孝の 読むチカラ」には、「著者 - 受験生」ではなく「出題者 - 著者 - 受験生」の関係を構築しろとある。

これを
  • 意図(Why) - 対象(What) - 自分(Howを考える立場)
と置き換えてみると、この関係の構築力は、今、ビジネス現場で足りない、あるいは企業が採用したいという人材に求めているものズバリではないか。そうしてグレーゾーンにおける「間主観性」(それぞれの主観性の中で落とし所を見出す)を鍛えることが現代国語の目的だという話には非常に共感を覚える。

仕事でいろいろな顧客・同僚・関係部署相手にどう接してゆくか? 「オレはこう思う」の主観だけでもだめ、「一般的にはこうだろうねえ」の客観だけでもだめ。PM(プロジェクト・マネジャ)でなくてもステーク・ホルダとの関係性構築は仕事において基本動作の部類に入ると思う。但し、相手の能力が高いと(すごく頭の回転が速い人とかを相手にすると)、この関係性構築ができるかどうかは現代国語能力にかかってくる。「1,2,3,4,5...」というステップで会話が進むと思っていたら、「1,3,うっ 4,7,5 アレ? 8, 10...」というケース。コンテキストを理解できなくて結構辛かったり、逆に刺激を受けてアドレナリン出まくりという経験は誰にも多少はあるのではないだろうか?

最近、コミュニケーション力とかいうけど、結局はこのことなんだろうね。だから企業は新卒・中途にかかわらず、それが求められる職種では東大式現代国語(→著者曰く、最後の良心らしい)の筆記と面接をしたらいいのではないか?と思う。無論、そんなことより技術の深さあるのみとか、そういう職種もあるだろうから何でも現代国語というわけではないだろうけど。但し最低ラインみたいなのがあって、それに達しない場合は「空気嫁ない奴」ということになるな。英語力を試すのも大事だけど、優先度的にはこっちでしょー?


さてさて、普通の記事ですと、ここで実際に出題された文として島崎藤村の「朝倉だより」から「樹木のことば」なんぞを引用してみたいところなのだが、どうもそうはいかないのだ。そう - 著作権のこと。
入試過去問と著作権を考えるblog - 著作権問題が市場に及ぼす歪み:
もし僕が受験生であったのならば、「評論の載っていない赤本」よりも、「評論の載っている緑本」を買うだろう。当然、「日本ビジュアル著作権協会」に従 わない出版社は市場のおける競争において、決定的に不利な条件を背負うことになってしまう。現在、教育・出版の世界では「日本ビジュアル著作権協会」様に 跪き、膨大な金額を上納したものだけが、商売を許される状況が今生まれつつあるのだ。
JASRACだけかと思ったら、日本ビジュアル著作権協会なんてのもあるらしい。受験産業などが営利目的で著作を無断利用されることを保護する。それはまあわからなくはない。但し、著作権法では教育に関わる領域には制限が加えられている。
コピライトQ&A(著作権相談から):
学力その他の能力を試験したり、検定するために作成される試験問題は、その目的上、事前に知られてはならないという特殊性があります。著作物を利用する 場合には原則的に著作権者の許諾が必要ですが、試験問題を作成する場合には、このような特殊性から著作権者に連絡を取ることも困難です。そこで、著作権法 では、公表された著作物を試験問題として複製する場合には、著作権者の許諾を得なくてもよいことを定めています(36条1項)。
と、このようになっているらしいのだが、議員さん達は「知財保護」と称して新たな動きをしようとしてるみたい。
JVCAニュース 第4号 -JVCA 日本ビジュアル著作権協会:
同議連は海部俊樹元首相(自民)や羽田孜元首相(民主)、鳩山由紀夫元民主党代表、前田雄吉衆院議員(民主)、大田昌秀参院議員(社民)が発起人となっ た。発足の趣旨は、「青色発光ダイオード」発明対価を巡る訴訟などで、特許権や著作権、商標権などを含む知財への関心が急速に高まる中、国内の知財を保護 する法律を整備し、「知財立国」を促進しようというもの。
おっと、菅直人前民主党代表も入っている。教科書・教材出版会社の業界団体にメスを入れるんだとか。しかし、教育に関してはもう少しおおらかに考えてはどうなんだろう。教育は国家百年の計。昔よりひどくなったのなら昔程度に戻せばよいのであって、営利目的外ならOKとするとか(そういいながらン千万のカネを著作権団体に払えば掲載可になるのもどうなんだろうね)、なんとか教育面を配慮して欲しいね。そもそもインターネットではほとんど日本文学の類をググれないのが気になる。Googleなどが図書館の書籍をスキャンして、検索可能にし、公開すべき知財は積極的に全人類に公開するように努力していることと比べると(もちろんビジネスのこともあるが)、目線の違いが気にならないといえば嘘になるな。

2020年までのインターネット予測で触れたが、2020年においては、著作権侵害やDRMがネットワーキングやデバイスにおいて最大の摩擦になるという予測をJohn Browning氏(エコノミスト誌やWiredのライターであり、First Tuesdayの共同創始者)が述べている。
John Browning, co-founder of First Tuesday and a writer for The Economist, Wired and other technology/economics publications, sees many improvements in networking and devices in the next 15 years. “[The system won't be] perfected and perfectly smooth, but certainly more, better and deeper than today,” he wrote. “The biggest change will come from widespread and reliable identification in and via mobile devices. The biggest source of friction will be copyright enforcement and digital rights management. There will be much innovation in devices to match form and function, media and messages.
まあ、既得権ホルダー達との長い戦いが続くということだ。既得権持ってる人が悪いということではなく、純粋に保護されるべきものと、JASRACみたいに天下りや著作隣接権で甘い汁を吸う奴らとは区別されなきゃいけないということね。

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