E-Commerce 2.0の意義を考えてみた

先月書きかけて、そのまま眠らせていたネタですが...。

Internet Retailer conferenceという催しがあって、
といったといった機能をASPやWebサービス形式で提供するベンダーで盛況だったようです。
Ecommerce 2.0 is happening now « Lightspeed Venture Partners Blog:
Excitingly, many of the vendors work on a SaaS/variable cost basis, so an ecommerce merchant can trial with very low risk (both technological and financial) new functionality whether it be customized gift cards, behavioural marketing (NB Lightspeed is an investor in MyBuys), collaborative filtering, or customer reviews. How very “web 2.0″.
E-Commerce 2.0という呼称はイマイチな感じがします。ただ、これを読んで思ったこと。今まで以上にReputation(風評)は今後重要視されるなあと。

kakaku.comのレビューしかり、Amazonの書評しかり。にもかかわらず、他のECサイトがすぐに真似しないのは何故でしょうか?Amazonやkakaku.comが消費者レビューを早期に実現できたのは、自らの商品ではないからです。商品をこき下ろされても、自社の風評には関係ない。だが、自ら商品を供給しているサイトは違います。悪意の、あるいは欠陥の指摘など致命的な書き込みによって大幅な売り上げダウンがあり得ます。

うーん、ちょっと考えてみました。どっかで聞いたような話だなと。
板倉雄一郎事務所: Deep KISS第54号「最適D/E比率」:
ちなみに企業のIR担当者のミッションとは、WACC低減にあります。それ以外のミッションなど、ありえません。
ファイナンスとECって比べるもんじゃないだろ、という声はあるでしょうが(汗)、それはさておき....。

消費者もリスクをとってリターンを期待しますよねえ、投資家が企業に対しリスクをとってリターンを期待するのと同じように。

この場合、ファイナンスで言うところの「リスクフリー」とは定価購入であり、正規販売店での店頭購入が該当しますよね。そうではなく、ECサイトで買うということは、価格の安さや返品の自由度、そこでしか手に入らない商品 といった店頭では得られない利便性や付加価値を期待するからです(僕はそう)。

一方で、納期遅延や配送時の破損だけでなく、聞いたこともないサイトでは詐欺などの心配が無いこと も一応しなければなりません。これは消費者から見ればリスクであり、企業から見れば評判。

つまり、ECサイトの宣伝にかかるコストは、有利子負債と株主資本コストのように2種類あると考えられないかということです。広告宣伝費と「風評対策コスト」(?)みたいなの。

よって、WACC(加重平均資本コスト、Weighted Average Cost of Capital)ならぬ、WACA(加重平均広告コスト、Weighted Average Cost of Advertisementと勝手に命名)を下げることが重要で、ために、ECサイトはWeb 2.0テクノロジーを使う意義があるのじゃないかと考えました。

つまり、E-Commerce 2.0でっせと。自ら踏み込まなくても、他のレビューサイトで勝手に評価されることだってありますし、もう無縁では居られない、と。

目に見える部分では広告宣伝費(Adwordsなんかも含まれますね)を使って直接的に消費者に訴求しようとしますが、風評対策コストは消費者のリスク感覚を反映します。そのあたり株主資本コストによく似ていませんかね。

とはいえ、ファイナンスについてはド素人なので、詳しい方はどっかのブログでWACAの計算式でも書いていただけるとありがたいです、意義がありそうなら...(他力本願)。