Windows優位にひびが入っているというハナシ

Evans Data社の北米における開発調査によれば、クライアントPCにおけるWindows優位にひびが入っているとのこと。Windowsをター ゲットとした開発は2年連続で減少しており、この1年で12%ダウンしている。昨年は74%だったが、現在は北米開発者の64.8%がWindowsのい くつかのバージョンをターゲットにしており、来年までにあと2%減少するとか。
Evans Data Corporation:
SANTA CRUZ, CA, July 2, 2007 - Windows dominance on the client is cracking, according to the latest release of Evans Data Corp's North American Development Survey.Targeting of the Windows OS has declined by 12% from a year ago, continuing a two-year gradual decline. Currently 64.8% of North American developers are targeting some version of Windows, as opposed to 74% last year and this is expected to drop another 2% in the coming year.
調査は1998年から年2回行われており、今回で19回目。400以上のソフトウェアデベロッパとITマネジャを対象にしているそうだ。「Windowsは最大の市場セグメントだが、Linuxターゲットは1年前の8.8%から11.8%となり、34%増」という言い方がされていて、セコいなあと思いつつも10%を超えたというのが本当ならひとつの壁を越えたのかもしれない。あと、Windowsから逃げ出す先はLinuxばかりではなくて、新デバイスのようなニッチ(?)OSへもと、Evans Data社CEO兼PresidentのJohn Andrews氏は述べている。

他、3つの特筆すべき点が挙げられている。
  1. Javascriptが最も広く使われているスクリプト言語で、PHP、RubyまたはPythonの3倍以上。但し、Rubyは今後1年以内に50%増の予想
  2. 開発ターゲットとしてのWindowsは減少しているけれども、開発機としての使用は安定したまま
  3. 3分の1の北米開発者は仮想環境でやっている。来年中に42.5%になるだろう(*1)

    *1 - 日経BPで日本語訳が掲載されていて読んでみましたが、「仮想化技術に取り組んでおり」というより、要はVMWareとか使って複数OS環境で開発してるってことじゃないですかね。
うーむ、2がホントなら、それはクライアントPCにおけるWindows優位にひびが入っているのではなくて、サーバーではないのかなー? Webアプリ開発とかね。詳しくは実際の有償レポートを読めということだろう。ちなみに、このEvans Data社は、欧州中東、アフリカ、アジアの開発調査もやっているようで、Google検索結果では比較的オープンソースやLinux寄りの調査結果記事が上位に表示される。

で、このEvans Data社調査結果を受けて「2008年はLinux Desktopの年」とブチあげる人も出てきているな。僕はLinux全般にはそれほど興味がないんだけど、Ubuntuだけはdiggでも1年くらい前からよくブクマクされているし、かなり関心を持っている。理由は、アフリカ生まれのソフトウェアであるということ、EduBuntuという教育バージョンがあること、BRICsの次と言われるVISTA(シャレにしては出来すぎだが、ベトナム・インドネシア・南アフリカ・トルコ・アルゼンチンの頭文字をとった本当の話)やアフリカでは、Windowsライセンス料なんぞ払えるかということで、Ubuntuだろうという話も聞く。そして、OLPCの関係(Suger on Ubuntuとか)ね。



上のように米国DellではUbuntuのPCも発売開始になったみたいだし、Ubuntuにはそろそろアンテナを本気モードで張っておいていいかもしれない。

オマケ: Google Tech Talks (April 12, 2007)でのOLPC講義。