組織を活かす管理会計

何冊かの管理会計本と一緒に購入。会計の本というより、組織論、経営論に近い。

本社機能に代表される、組織運営のためのオーバーヘッドコスト(労務費や事務所経費)などは、間接費用として販売・製造原価に配賦されることが多い。この際の妥当性を求めると、ABC(Activity Based Costing:活動基準原価計算)ということになるのだが、たとえそうしたとしても、間接費用は悪者扱い、削減すべき対象として見られがちである。この本では、組織形態の変遷に伴い、フラットな組織においては、情報共有コストなど寧ろ間接費用は増える傾向にあると述べている点に共感した。

他にも、行動経済学ではないけれども、エンパワメントといった行動の動機付けに関する記述や「ザ・ゴール」で有名な制約理論にも触れており、いろいろな「何故」に答えてくれる本として面白かった。アマゾン書評では読みにくいと書かれているが、僕的にはそうでもなかったな。

組織を活かす管理会計―組織モデルと業績管理会計との関係性
伊藤 克容
社会経済生産性本部 (2007/08)
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2 学会向け?

2つのOSがハイプを引き起こす?

明日だ。10/18(日本時間10/19)に、コード名Gutsy Gibbonと呼ばれていたUbuntu 7.10がリリースされる。以前と比べて機能追加された点は、
  • ハードウェア管理の改善。Plug&Playでプリンタを使えるようになった、とか
  • 複数モニターのサポート
  • Windows互換性。NTFSを含むWindowsディスク領域に対し、読み書き可能に
  • Compizによる3Dなど、ユーザーインターフェースの拡張(下のビデオ参照)
  • デスクトップ検索
  • 著名なFirefoxプラグインの自動インストール
など。New York Timesも、Windows Vistaへの反発の動きや、「Ubuntuが(Compizのことだと思うが)アイキャンディ(見るものの興味をひく視覚的効果)を用意するぜ」と報じている。確かにCompizは役に立つかどうかは別に、Vistaを圧倒するだけの視覚効果はあると思える。

また、10/26リリースと時期的にほぼカブる、Mac OS X Leopardが300を超える新機能ということで様々なブログで取り上げられているが、この2つのOSでちょっとしたハイプを形成する気がする。Mac Nanoのウワサもあるし、これがもしも、Multi Touch UIだったりしたらもう大変なことになる。いや、実際にはHD-less程度かなと思えるが...。

Ubuntuの方は既に次に向けた動きもあって、10月末から11月にかけてUDS(Ubuntu Development Summit) 2007がボストンで開かれ、今後のロードマップが話し合われるとのこと。UbuntuはWindowsと比べて進んでいたりまだ未実装の部分があったりするが、ものすごい速度でその差を埋めていっているようにみえる。日本語ローカライズ版もほどなくして出ると思われるので、Ubuntu Japanese Teamのページをチェックするとよい。オープンソースなので感謝と貢献の気持ちでね。まあ、僕に出来ることは自分で使ったり、こうやって広めることだけだが。


どーでもいいが、気がつくと右上のGMail容量が約3.6GBに!ひいい...

Switchbike

Ron de Jong氏が作った、Switchbike。伸び縮みするんだって、おもしろーい。
Switchbike - I Want One | Fresh Creation:
During Holland Innovation I ran into an incredible bike made by Ron de Jong: the Switchbike. The bicycle can be used in two different settings: 1) as a regular city bike, 2) as a lowrider. You can simply switch from one setting to the other by turning the left handle on the steering.
Youtubeビデオはここだ。Ronは大量生産してくれるメーカーを探しているらしく、希望する方はFreshcreation(上のブログのオーナー)にメールしてくれって。

ところで、この伸び縮みするっていうアイデア、ブレストの父、Alex Faickney Osbornチェックリストを使わなくても、車やバイクに使えるんじゃないか?と誰でも気付くだろう。
RINSPEED PRESTO:
The Rinspeed Presto transforms itself in a few seconds from an under-3-meter long two-seater roadster - presto! - into a 3.7-meter long four-seater with plenty of room for the rear-seat passengers. The additional space can also be used as a pick-up bed for cargo when the rear-seat backrests are folded down.
そう。既にあるんだよねー、RINSPEED社のPRESTOが! これ、74.6cm伸び縮みする。キワモノかと思いきや写真を見ると結構カコイイ。エンジンははディーゼル1.7リッターでベンツのものをベースにしており、120馬力/88kwを発生、最高速度は180km/h、865kgのボディを0-100km/h 10.5秒で加速する。ん、日本でも十分な性能です。

うまくすれば、山道では短くなって軽々コーナリング、高速道路ではホイールベースを長くして高速走行安定、と二度美味しいかもね。この次は縦にも伸び縮みして機械式駐車場に沢山入れられるようにするとか、いっそのこと折り畳めるようにするとか。折り畳み自転車がヒントになるかな???

*追記*
日本にもRINSPEED社の代理店があり、株式会社ティーエスエムが取り扱っているようです。但し、PRESTOはコンセプトカーなので買えません。

あと、今年4月のモーターショーに出品されたのをル・ボラン誌などが記事にしている




[Via Boing Boing Gadgets]

次期OpenOffice.orgでOutlook相当が登場予定

OpenOffice.org Conference 2007 (OOoCon 2007)で、OpenOffice.org 3.0の紹介があった模様。
かなり大幅な機能拡張が予定されているみたい。
  • Outlook相当のPIM
    複数カレンダー、空き時間管理など。会議室予約は無いみたいだが、SunのカレンダーサーバーやGoogle Calendarをサポートする



  • Mac OS Xのサポート
  • Microsoft Office 2007のXMLインポート
  • PDFのインポート・エクスポート
  • Calc(EXCEL相当)におけるピボットテーブルとソルバーの改善
  • Web 2.0サポート (ブログとWiki)
  • ウィザード付の新しいグラフエンジン
  • プレゼンテーションにおけるマルチスクリーン
  • Vista統合
などなど。詳しくは上記pdfで。2008年春~夏のどこかでリリースされるとのこと。

LedZep to go digital

Led Zeppelinが11/13以降、デジタルでの音楽配信に踏み切る。今まではiTunesとかで検索しても、トリビュート・アルバムしか表示されなかったからね。やっとこの日が来るのか、と思うと感慨深い。
Led Zeppelin to sell music online - Yahoo! News:
From November 13, Led Zeppelin, which disbanded in 1980 following the death of drummer John Bonham, will make its albums available for download from all online music retailers.
ところで、Jimmy Page本人も聴きに来たというトリビュートバンド、Led Zepagain(Led Zeppelin Againのモジリ)のデモビデオってとってもよく出来ていて驚く。ボーカルのSwan Montgomeryの声質(と体型)がプラントに似ているし、Steve Zukowskyのギタープレイも、70年代のライブにおけるペイジの雰囲気をうまく真似ている。トリビュートバンドでもここまでやれば観客も大喜びなのは頷けるな。

GMail容量増加計画

GMailの容量が近々一挙に増える。
  • 現在、約2900MB
  • 10/24に4321MB
  • 2008/1/4に6283MB
  • その後、毎日3.3MBずつ増加
  • 2038年に42GB
ということらしい。グラフにしてみるとこーなる。10GBに到達するのは2011年。



しかし昔書いた記事で表したKryderの法則への期待感を見事に裏切ってますなあ。ムーアの法則もそろそろヤバい、あと10年くらい?と本人も言ってますし、Kryderの法則もそうなのかな? いずれにせよ、来年の正月にはメールボックス6GB時代の到来。企業はどんどん置いて行かれてゆく...。

で、置いて行かれ様を右上のカウンターで表現してみますた。

[Via Googlified, Google Operating System]

MSのR&Dの資産計上

最初読んだときは何とも思わなかったが、考えてみると諸手を挙げて「ゲイツはエライ!」とは言えないのではないか。
Life is beautiful: ソフトウェアの資産計上に関する素朴な疑問:
ちなみに、そのWarren Buffetととても仲の良いBill Gatesは経営者としては非常に慎重・保守的で、マイクロソフトのR&D費用は常に100%その期の経費として計上されている。とかく評判の悪いVistaだが、5年もの間何千人ものエンジニアをVistaの開発に従事させ、発売までその費用を経費として計上しつつも毎年莫大な黒字を出し続けて来たマイクロソフトという企業はやはり大したものだ、と思った私である。
R&D費用は、
  • 全額費用化
  • 全額資産化
  • 選択的資産化
  • 仮勘定計上
の4種類の処理方法がある。全額費用化法が一番透明性が高そうに思えるけれど、蓄積される知財(例えば特許)という観点に立つと、全額費用化によってそれら知財は財務諸表からは見えなくなる(オフバランス)というデメリットがある。従って、全額費用化法が最も株主へのディスクロージャーとして正しい、とは必ずしも言えないと思う。こんなこともあるので、R&D費用の会計計上についての議論はまだ続いているのだと認識していんだが...。MicrosoftがR&Dを全額費用化しているのは、単に米国で全額費用化がスタンダードであるということと、(はてブコメントでもあったが)黒字減らし、つまり節税のためと考えるべきでは?

ところで、米国では知財の扱いも問題になっていると聞き、資産化オッケー?と思いきや、さにあらず、連結企業などでコストシェアリング契約により、全額費用化に加え知財からの恩恵分をさらに上乗せで費用計上するという流れがあるようだ。
ベンチャー企業にとっては、黒字を計上するためにも、R&D費用やソフト開発費すら資産計上したいところだろうが、逆というか、なんだかより厳しくなる方向ということか。

EXCEL2007の65535バグ対応パッチ

EXCEL2007の65535問題のパッチが出たみたい。
Microsoft Excel : Calculation Issue Update (Fix Available):
Two weeks ago, we posted about an issue involving the calculation of numbers around 65,535 and 65,536. As of today, fixes for this issue in Excel 2007 and Excel Services 2007 are available for download from the following locations:
KBも出ています。2つの現象があったのかー。
Excel 2007 ホットフィックス パッケージの説明:2007年 October 9日:
Excel 2007 に計算を実行すると、次の現象が発生します。
• 計算結果は、 65534.99999999995 から 65535 までの数です。 計算は、正しく実行されます。 ただし、結果が 100000 として間違って表示されます。
• 計算結果は、 65535.99999999995 から 65536 への数です。 計算は、正しく実行されます。 ただし、結果が 100001 として間違って表示されます。

キミのTMJはいいカンジ

世の中にはX線が好きな方々がいらっしゃるようだ。僕のお気に入りは次の3つ。
どうです、結構いいでしょ? X線の世界ではイケ面の基準も変わるに違いない。
「キミのTM-joint(顎関節)はいいカンジだねえ」
とか。Marian Diamond教授の授業で教わったのですぐに応用した(笑)

3番目はカエルさんに「ショックを受けるかもしれないが...」と医師が衝撃の検査結果を伝えるシーン。これはワロタ。あと、X線写真を使う芸術家のサイトもある。
X線が無害でなければ世の中もっと面白いことに、てゆーか、そういう映画できないかな?

中国の人からは見えないブログだった

任意のWebサイトが中国から見られるかどうかテストできる。
Website Test behind the Great Firewall of China:
Test any website in real-time and see if it is accessible from China. The Golden Shield Project (a.k.a. Great Firewall of China) is owned by the Government of China (MPS) and started in 1998.
ちょっと試してみました。
URL tested: http://sevendegrees.blogspot.com/
Test performed from: Beijing, China
Test performed at: 2007-10-07 09:41:14 (GMT -04:00)
Status: couldn't connect to host
Response Time: 0.005 sec
DNS: 0.005 sec
Connect: 0.000 sec
Redirect: 0.000 sec
First byte: 0.000 sec
Last byte: 0.000 sec
Size: 0 bytes

URL tested: http://sevendegrees.blogspot.com/
Test performed from: Hong Kong, China
Test performed at: 2007-10-07 09:45:14 (GMT -04:00)
Status: OK
Response Time: 2.990 sec
DNS: 0.330 sec
Connect: 0.220 sec
Redirect: 0.000 sec
First byte: 0.541 sec
Last byte: 1.900 sec
Size: 123103 bytes
当ブログ、というより、blogspot.comは香港ではOKですが、北京・上海からは見ることができないみたい。意外にも2chはOKなのだ。Youtubeやニコニコ動画もOK。基準は何なんだろう?

47分UCバークレー校留学

UCバークレー、YoutTubeで大学講義を丸ごと配信という記事を読んで、早速、YoutubeのUCBerkeleyチャネルへ。既に201のビデオがアップされている。



Marian Diamond教授の解剖学の講義を47分間受講(笑)。で延々と骨の解説をやってくれるのだが、ある意味シンプルで面白い。黒板にチョークで手書きという昔ながらの講義スタイルで、一見、時代の寵児とも言えるYoutubeでどうなんだろとも思ったが、講義が始まってしまえば全く気にならない。人気No.1は前述の記事でも紹介されていたGoogle創始者の一人、セルゲイ・ブリンの Search Engines: Technology, Society, and Business

iPod前留学で紹介したiTunes Uでも大学の講義を聴くことができるが、こちらは大学の宣伝色が強く、今回のUCBerkeleyのが本当の意味での講義配信と言える。おまけにYoutubeビデオだからiPhoneやiPod Touchでも聴講できるわけだ。スバラシイ!教授にとっては自分の講義がいろいろな場所で晒し者になるわけだから頑張ってやってくれるだろうし、聴講する側も他の大学の学生だろうが社会人だろうが小学生だろうが構わないから、中長期的にはいろいろな変化が生まれそうだ。

日本ではまあ難しいだろうな。JASRACが「教授の講義の著作権管理は我々にお任せをっ、へっへっへっ」とか言いそうだし。

*おまけ*

MSN産経のこと

10月1日から産経WebがMSN産経となって3日になる。ガ島通信の「進むMSN産経、明らかに出遅れた毎日jp」など全体として好意的な取り扱いだったが、池田信夫氏の新聞社サイトの囲い込み競争にあるように、いくつか批判的な記事も出てきたように思う。

まず、池田氏が言うようにGoogleニュースからのリンクを拒絶しているのはどうにもいただけない。産経デジタルのニュースリリースでは今回の目玉は、
  1. ユーザー本位のサイト(「トピックス」の新設、記事掲載期間原則6ヶ月、掲載写真サイズ拡大)
  2. 多彩なニュースを提供
  3. 紙とWebの差別撤廃に伴うニュースの速報性、厚み向上
  4. テクノロジーとの融合
とあるんだが、1と4が引っかかる。

ユーザー本位のサイトなら、今までのGoogleニュース誘導みたいに他社と見出しを比較できることの方がずっとありがたいし、保守的なスタンスという特徴を持つ産経自身にとっても、朝日や毎日と読み比べてもらえる利点があるはず。そんな金にもならない支持より、MSN Japanからの収入が目当てなのか。

4については、「いいの、Microsoftと連携しちゃって?」ってこと。Microsoftに不利な記事はスルーってことでしょ。これから起こるであろう、いろいろなネット上の事象を大きな利害関係者のフィルタを通してしか書けないのは記者さんにとってどうなんだろうか。まあ政治・経済・スポーツ・芸能などのネタを書く分には関係のないことなので、一般の人にとっては影響は軽微と判断したのだろう。

あと「Windows Live Messenger機能が組み込み」「Windows Vistaガジェット」「Windows Live ガジェット」っていうのも...。そのうち、「当コンテンツはSilverlightを導入しないと正しく表示されません」とでもやるつもりか?

個人的には理解に苦しむ部分が多いのだけど、ANY(朝日、日経、読売)連合の件を含めて、しばらく様子見。