sliderollのポテンシャル

今回はsliderollを紹介。出てから1年ちょっと経つので決して新しいというわけではないですが、Flash製の作成画面ではDrag&Dropで簡単にスライドショーが作れる他、視覚効果を入れたりBGMを入れたりでき、Flickrから直接写真を引っ張ってこられるのが便利。ちょっと試してみました(目当ての白藤が枯れていて、orz... だった日曜の足利フラワーパークの巻)。BGM付!


sliderollは無償版からProにアップグレードすると、
  • 最大5000枚の写真をアップロード(無償版は100枚)
  • スライド数は無制限
  • スライドのサイズや形状も自由(無償版は360*240ピクセル)
  • 最大640*480ピクセル可能
  • スライドショー自体をダウンロードし永久保存可能
  • QuickTime化されたスライドショーをダウンロードできる
  • 高速、広告フリー
  • 「slideroll」のロゴをなくすことができる
という利点があり、スライドショーとしてそれなりに楽しめる。ただこれだけだと、Microsoft Windows PhotoStory3とかに似てるのでは?といった声が聞こえてきそうです。

実は今回、sliderollを記事にした理由は別にあります。それはWidgetとしての可能性。

sliderollはSonific社のsongspotsと連携できるのですが、これ、かなり画期的と思います。songspotsで曲を選び、Widgetを埋め込む先(sliderollだけでなく、Blogger,MySpaces,MovableTypeなどいろいろある)を指定する。UUIDや埋め込み用のJavascriptが表示されるので、あとはslideroll側でこのUUIDを指定するだけでBGMとして使えるようになります。sliderollだけではBGMの種類はちょっとなので、songspotsの音楽ライブラリ(違法な曲はない)から任意のBGMを選んで連動させられるのは非常に便利。

但し今のところ、Widget間のコントロールの連携はできていないので、両方ともAutoPlay、つまり「いきなりスタートするモード」にしておかないとうまく連動できません。というわけでこの記事を読まれている方にはご迷惑だろうと思い、今回は連動デモにはしておりません。連動している例はMudpuppyあたりを見てね。



上のsongspots Widgetはクリックするとアルバム詳細情報画面に移動します。「スライドショー+音楽」。つまりこれって簡単なCMになっているわけです。それも草の根の。「Widget Economy」なんて言葉がチラつきますねえ。Widgetごときで経済とはたいそうなといかぶる向きもあるでしょうが、昨年初めににSpotRunnerが話題になって以来、こういうWidgetで広告が出てきたらどうなるかという話はありました。
Slideroll - Slideshows for MySpace:
Nonetheless, I can’t help feeling that these tools could absolutely blow apart the advertising industry. What would happen if creating your own custom TV ad on SpotRunner was as easy as assembling a slideshow on Slideroll?
この記事(Mashable)の背景には、ナノ経済をずっと主張されている、Bubblegenerationの以下の記事があります。
Bubblegeneration Strategy Lab:
There's been a great deal of buzz about Spotrunner recently. But there's also a great deal of confusion. Many feel, intuitively, that Spotrunner's going to be revolutionary - but no one can really explain why. Let me try and deconstruct Spotrunner and the economics of ads for a second, and also draw out some implications for branding.
そして、今年4月以降のFlash/Silverlight/JavaFxでWidgetががぜん注目されだし、sliderollやsongspotsなどのメディア系Widgetもブログで再び言及され出しているように見えます(多いときで十数件/日ですが)。真面目な話、ショッピングサイトなんかはページ遷移無しに(つまり、In-Placeで)購入までできる、広告+ショッピングWidgetを用意しようと思うでしょうし、アフィリエイト報酬も恐らくデカいので、小遣い稼ぎしたい人も「埋め込みましょう、喜んで」という展開は用意容易に想像がつく。

てなわけで、GoogleのTV広告実験とは別に、こういうメディア系Widgetもしばらくは要注意かなと考えている次第。