GMailがメールサーバーとして振舞うとどういうことになるかというと、中小企業やベンチャーなんかは無償でメールサーバーを立てられるということになる。もちろん実体はGoogleにある。具体的には、DNSにmail.google.comを指すようなMXレコードを作ることで、他からのメールは直接Googleにあるサーバーに経路付けされる。そこから先は、GMail GUIにおける設定でどの受信トレイ(InBox)に送るかどうかをコントロールできるようになるはずというわけ。
これによって、Exchange Serverなどの企業メール環境にとって代わる可能性があると、このコラムの筆者であるGarett Rogersは述べている。予定表もアドレス帳もGoogle側で共有できるし、スキンのような考え方でGmailのGUIも変えられるようにすれば十分現実味がある。もちろん、あくまで予想。本当にそうなるかどうかは全くわからない。Diggでの反応はもっぱら好意的で、最近何かと話題のImagining the Google Future(Googleの将来 - 4つのシナリオ)に関連付ける人もいるようだ。
以前から言ってますが、Googleがやっていることと、一見全く関係ないように見える企業コンプライアンスみたいな話は実は密接な関係があると思っています。Web2.0的なサービスとJSOX(日本版SOX法)だの個人情報保護だので、リスク管理やモニタリングを強化しなきゃいけないというところとの折り合いをどうつけるかも今後のひとつの経営寄りIT視点だろうと。Googleにデータを委ねるのを危ないと考えるか、GoogleはSOX404条(厳しい米国版)をクリアしてるから、むしろ安心と考えるか? Salesforce.comなんかも同じことが言えますね。僕が経営者なら後者の考え方を採用するだろうな。日本は中間層に保守的なマネジメントが多いので前者かもしれないし、僕がマイクロソフトだったらGoogleに対抗するためにそういうマーケティングを展開するだろう、「コンプライアンスが重要な時代に大事なデータを海の向こうに預けますか?」と。尤も、こういうことを議論するにあたっては某社みたいにコンプライアンス以前の企業のサービスとこの話を混同してはいけません。規則作ったらおしまいじゃないの、なんていうのは論外ね。そういう意味で、Googleのほんとうの強さ、例えば、あれだけInnovativeなのにSOX404も対応している、ということはまだ十分に理解されていないような気がする。「あちら側」「こちら側」で人種(世代?)が違うのだから棲み分ければよい、みたいな話も違和感があります。
» GMail code hints at coming domain feature | Googling Google | ZDNet.com:
Their next big move will likely be GMail for domains — a powerful way for anybody who owns a domain to utilize GMail as a mail server, not just a client. Yahoo has their own small business mail product which does precisely this, and now evidence suggests Google is planning the same.
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