読了 - 失敗の本質

いまさらながらだが連休中に読む。

失敗の本質―日本軍の組織論的研究
戸部 良一 寺本 義也 鎌田 伸一 杉之尾 孝生 村井 友秀 野中 郁次郎
中央公論社 (1991/08)
売り上げランキング: 414
おすすめ度の平均: 4.5


あまりに面白くて2回読んだ。文庫版とは言え、これが800円とは安い!昼ごはん1回分だ。
  • 日本軍は、初めにグランドデザインや原理があったというよりは、現実から出発し状況ごとにときには場当たり的に対応し、それらの結果を積み上げてゆく思考方法が得意
  • 科学的方法とは無縁の主観的なインクリメンタリズムに基づく戦略策定
  • 年功序列型の組織では人的つながりができやすく、またリーダーの過去の成功体験が継続的に組織の上部構造に蓄積されていく
といった分析部分を読むと、60年経っても違和感がないために、とても妙な感覚にとらわれる。あと、6つのケースのうち5つは書物で読んである程度は知っていたのだが、インパール作戦の牟田口中将の暴走がまかり通ってしまった経緯は今回初めて知った。現在の企業社会というか公務員も含め、こういう無茶苦茶な意思決定は結構あるんじゃないか。

いずれにせよ、超お薦めの一冊。