GoogleがSOAPにトドメを刺した日

GoogleがSearch APIでSOAP(Simple Object Access Protocol)をサポートしなくなった。GoogleのProduct Managerである、Tom Stockyは新規にキーの発行をしないだけで、現在、SOAP APIを利用しているアプリケーションには影響はないと、Google Group内の議論でコメントしている。

soapapi


新規にSearch APIが欲しければ代わりにAJAX Search APIを使えってことなんだけど、AJAX Search APIのわかりやすい解説は既に出ているのでそちらを。

開発者らは歓迎というわけではなく戸惑っているようだ。何故、AJAXなのか、と。Yahoo!にはREST APIが、Live SearchはMS提供だけにSOAP APIがある。AJAX Search APIはSOAP APIの代替ではなく、これからWebサービスを勉強しようとしている者には悪い知らせだと。本当はGData APIで代替したかったが、間に合わないのでそのための時間稼ぎかな?

このあたり少し調べていたのだけど、今回のSOAPサポート廃止には伏線があって、11/19にGoogle Web APIに携わっていたNelson Minar(今はGoogleではない)が、Pete Lacey’s Weblog :: The S stands for Simpleという傑作な記事に対し、こんなことを述べている。
Why SOAP sucks:
There's an amusing dialogue floating around about how simple SOAP is. As someone who bears some past responsibility for well used SOAP services (Google's APIs for search and AdWords) let me say now I'd never choose to use SOAP and WSDL again. I was wrong.
彼はここでは、自分はREST / HTTP+POX(Plain Old XML)の道を行くだろうって予見している。XML自体は災いだともバッサリ。で、約1ヶ月経った12/18にGoodbye, Google SOAP search APIという記事を書いているが、O'Reilly Radarはこの記事を参照しつつ、サポ停はGoogle Answersの廃止など一連のサービス見直しの一環政策によるものであると同時に、SOAP規格争いはそれをコントロールしたがっているIBMやMicrosoftの政治的なフットボールと成り果ててしまっていることがあると指摘している。

SOAPが(標準としては)死んだ云々は新鮮な話ではなく、SOAP is Comatose But Not Officially Dead!に代表されるようにかなり前から「もはや死に体で、死亡宣告が行われていないだけだ」という見方はあった。ただ今回、Googleが実質的に息の根を止めたというように受け止めましたね、僕は。企業アプリケーションではSOAPは連携手段の1つとして残るだろうけど、Web 2.0界隈ではもはや出番は無さそうだ。

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下の記事を読んだのだけど、SOAPを辞めた理由のひとつには、バッチ処理的な使われ方を抑制するという狙いもあるのではないかな。現在、API Keyあたり、1日5万回のCall(毎秒1.73回)という制限があるが、AJAX Search APIに比べると、SOAPの方がサーバーサイドでDBへのキャッシング・プログラムを作るとかやり易い(Javascriptでもできるけど)。

*Updated 3/26/2007*