出張の新幹線の中で読もうと思って買ったのだが、これが大当たり。
言語学者である金田一先生の授業を受けているような錯覚から、やがて文化人類学や、潔癖症のような強迫神経症の精神病理面での考察を経て、ヒトの原初的段階にさかのぼる深い考察へ入っていく。境界人(トリックスター)のくだりでは先日亡くなった飯島愛さんのことが脳裏に出てきたり、ベトナムで食した孵化しかけたタマゴのくだりは自分にも経験があって「うえっぷ」となったり、なんだかんだで最後はちょっとした旅行をした気分になれた。
まあページ数からは想像もできない、「うにうに」と読み進められる感覚は、著者が冒頭で述べる通り「ハウルの動く城」のような本でもある。激しくオススメ。
ここまで来たらと、ジュンク堂で下記を購入。こちらはアチラの国の方による翻訳本。古代ギリシャ・ローマから現代の北米の衛生信仰まで、キレイ・キタナイの変遷が書かれている。論理的な考察というより、あーだった、こーだったという状況説明が主でやたら風呂ネタが多い。なんと大スキピオ(スキピオ・アフリカヌス)の名前まで登場する。「オックスフォード大辞典に"bathroom"という言葉が掲載されたのは1972年」といったトリビアみたいな話も多数。
ちょっと値段は高めだが、ネタ本としてもいいかも。
久々に書く記事のネタとして「キタナイ」三昧はどうかども思ったが、まー、いいよね。ちなみに僕は潔癖症にはかなり遠い気がする。だからこそ、面白く読めたのかもしれんなー。