O'Reilly Radar > Why I'm so excited about Spock:Spockは人物検索アプリケーション。Spockはだいたい200サイトくらいをクロールしているんだけど、「えっ?少なすぎじゃない」って思うでしょ。しかしSpockのクロールはGoogleやYahooといった巨大検索エンジンとは全く違う。まず、探すサイトはWikipedia, IMDB, MySpaceや先行している同業のLinkedInなどだ。さらにSpockのロボットは自動的にその人物タグのクラス・タグを付けてゆく。クリントン前米大統領の場合は、「前アメリカ大統領」、「偉大なリーダー」、「浮気者」、「左利き」、「民主党」、「サックスホーン奏者」といったものらしい。「らしい」と書いたのは、このサービスは招待制で僕はまだ試せないからだ。とはいうものの、先週TechCrunch(日本語訳)でも紹介されているから、サービスの概要はそちらをどうぞ。
Michael Arrington wrote the other day about spock, the new people search engine, but I have to say that I don't think he did it justice. Spock is really cool, and performs a unique function that is well outside the range of capabilities of current search engines. What's more, it's got a fabulous interface for harvesting user contribution to improve its results.
Spockのやり方は、Entity Resolution(ER)というそうだ。ERと言ってもCoddのER(Entity-Relationship)-modelと は関係ない。Entity ResolutionはNo Relationshipを前提にしているからだ。これはむしろ一見関係のないところにどうやって関係性を見出すかという話。興味のある人はスタンフォード大学にある、以下の論文をあたるとよいと思われる。
このSpock、サービス開始前にも関わらず、VCから700万ドルを集めた。一体、どうして? 前述したように人物検索サービスはSpockが初めてではない。LinkedInやZoomInfoは数年前からビジネス経営者層をターゲットに起業している。LinkedInは最初はコンタクトサイトとして始まり、ユーザー同士がコンタクトすることを許可していたが、登録プロファイル数を増やすべく、よりオープンなやり方に移行し、欧州やアジアへ進出し始めている。
ZoomInfoは2900万を有償サブスクリプションで提供する。LinkedInは290万のプロファイルを有する。いずれも2008年までに1億プロファイルを目指すらしい。一方で、Spockはなんと最初から1億人を目指す。それも共同創始者のJaideep SinghとJay Bhattiの2人だけでだ。こんなことができるとしたら、Entity Resolution方式によるところだろうし、VCの注目を浴びる理由もそこではないだろうか。
検索市場はまだまだ奥が深い。「What Google Can’t Do(Googleができないこと)」という記事があって、マルチメディア検索や垂直検索に弱いとしている。
Webを探すならGoogle。
本を探すならAmazon。
では、人を探すなら....?
答えはGoogleでなくても不思議はないだろう。拡大する空間やTwitter - いつか来た道?(déjà vu)で触れたように、「2001年~2010年はフィジカル、つまりリアルとの融合の時代だとすれば、実世界に存在する人の検索は有望な領域だと思う。そういえば先日「IBM、マイクロソフト、そしてグーグルに至る道程」という記事が人気を集めていた。その最後には「2010~15年あたりに、グーグルを脅かすことになる企業が産声をあげる」とあるが、それはSpockのような企業かもしれないな。
あと、MIXIが今の停滞(衰退?)は脱却するにはSpock路線かな?と、ふと思った次第。