- At Home with the Backyard Rocketeer - Popular Science(QuickTimeムービー)
彼の名前はロザーノ。メキシコの独学ロケット科学者。7歳の時にNASAの宇宙EXPOがメキシコで開催され、ベルのロケットベルト(別名ジェットパック)の実物を見て虜になった。それは、ベル・エアロシステムズのウェンデルムーアが1950年代初期に設計したもので、今でも世界に4つあるらしい(いつぞやのオリンピック開会式だったかで、飛行セレモニーが放映されたような気がする)。ロケットベルト自体はウェンデルムーアが心臓発作で亡くなってから開発を進める人が居なくなった、というか資金を出す人が居なくなった。空気中を一輪車で漕いでいるような操縦の難しさや、飛ぶ恐さの克服、そしてそもそも危険であるというようなことが理由みたい。そりゃ、危険はパラグライダーとかの比じゃないだろうし、完成したからコレで飛んでみ、と言われて「ハイ」と飛ぶ人は滅多にいないだろう。まず、保険かけるとか(笑) ましてや開発途中は本当に大変だろうと思う。
年月が経つにつれ、メキシコシティは渋滞がかなりひどいので(→以前の記事「ヘリから見たメキシコ」で排気ガスの凄さを確認できる)「オレのロケットベルト、どこ~」と思う観客も現れた。彼はロケット工学者でも天才でもなく、フツーのオッサンだ。ロケットマニアとしての知識から得た1950年代初期の技術で挑戦しているのだ、と書いてあるけど、フツーではこんなことはやらないよねえ...と思いながら記事を読み進むと、彼のおじいさんは熱気球を飛ばす初のメキシコ人だったし、双発機を飛ばしたりもしてる。とにかく飛ぶ欲求がDNAに刻まれているのかもしれない。彼は1975年に既にTODOリストを作り、燃料や(過酸化水素の)膨張促進剤などの基礎研究を20年間やって、最近の8年でロケットベルトそのものを設計した。
それでも、裏庭で試験飛行を始める頃にはいろいろな援助が集まるようになった。試験飛行をするときには少なくとも「パイロット・技術者・消防士・2名の救急クルー」が必要なんだそうだ。見習いの若者が給油したり、ロザーノの奥さんが孫を安全なところへ移動させたりと、なかなかアットホームな感じさえする。アメリカ人じゃなくてメキシコ人っていうのもね、いいね~。
屁理屈をさらにこねまわすような話が多い中、たまにこういう話に遭遇すると、心が洗われるというか、なんか嬉しい気分になるし無条件に受け入れられるなー。頑張って欲しいなあ。映画にもなるかもねー。これ、5ページから構成される長文の記事ですが読む価値はある。ちょっと感動するよ。
Ready For Takeoff? - Popular Science:参考リンク
Ready For Takeoff?
From Buck Rogers to 007, the jetpack has fueled our greatest personal-technology fantasies. For Juan Lozano, it has inspired a lifelong obsession
By Larry Smith | February 2006
- Juan Lozano's project
ロザーノのプロジェクトサイト - ROCKETBELT
ロケットベルトのコミュニティ。企業が開発したものの情報も掲載されている。
- BBC NEWS | UK | England | London | Jet pack man soars above London
- Stuart Ross Rocketbelt :: Peroxide Propulsion
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