プレイリストがもたらす未来

Zoe's Radio ShowZoe's Radio Showというのがある。15歳の女の子ゾーイがやっているラジオショーなのだが、内容というか選曲がすごい。そもそもこれは、たまたま、この女の子のオヤジが自分のブログに「うちのコはこんな選曲リストで聴いてるんだぜ」って自慢を書いてるのを、DAVEって人が見たのが始まり。当時この女の子は13歳。 DAVEは「えー、マジっすか?」とそのことがずっと頭から離れず、ついにオヤジに電話をしてきて「おたくのコ、インターネットラジオやってみる気がないか」と持ちかけたという展開のようだ。
LittleRadioで午後1時~2時(日本時間)に放送しているそう。アーカイブはゾーイのサイトである、Zoe's Radio Showで聴ける。

ま、選曲も才能と思うけどとにかく前述の選曲リストには驚いた。自分の選曲リストって公開できます? 恥部のような気がするのはなんでかなあ?
ところで、音楽デジタル配信が一般的になり、聴きたい曲はいつでも手に入る、つまり所有することに殆ど意味がなくなったときに「選曲リスト」というものが意味を持つ。いつ、どういう場所で、何を聴くのか?うーむ、なんかD4DR藤元サンの言ってるダイナミックマーケティングだったり、位置情報マーケティングとかシチュエーションマーケティングとかみたいだなとか思っていたら、ユニークなエントリを発見。

長尾のブログ2.0: 音楽アノテーションとプレイリスト:
人間のそのときの状況に関する情報と音楽へのアノテーションを
用いることによって、その人の気分を盛り上げるための
プレイリストが生成できるだろう。
最初のうちは、結構外してしまうかも知れないけれど、統計的
手法による学習機能によって、徐々にその人に適合した
プレイリストが作れるようになるだろう。
この方は人間には自分のテーマソングがあってそれが頭の中で「ムード盛り上げ楽団」がそれを演奏しているのだと。なるほど。ドラマなんかBGMで意図的にそうしてますね。しかし、実生活には音楽なんて鳴りはしない。会話中にショック受けて「ジャッジャーン」とか音がしたら相手もびっくりするわな(笑)でも自分をコントロールする術として、こういうのはウェアラブルコンピューティングにおけるアプリケーション範疇に入るような気がする。

たかがリストされどリスト。応用は色々考えられそうだ。m3uというフォーマットではなく、XMLアプリケーションとしてのXSPFになれば、選曲リストが一種のメディアになり、RSSみたいに広告を挿入したりするだろう。そういえば、米Yahoo!、プレイリスト作成コミュニティ「Webjay」を買収というニュースがあったばかりだ。このWebjayってXSPF使ってるんですよ。そういえばマイクロソフトも昨年6月くらいにIE7に絡めてRSSをWeb Feedと呼ぶとかで騒ぎになりました。
まあリストには可能性があるということの表れでしょう。リコメンデーション手法の一つだと考えれば、究極はファッション系なんてのもアリかもしれんね。その昔は石津謙介氏やくろすとしゆき氏といった服飾専門家の意見を聞くに始まり、そしてPopeyeやHotDogPressによるマニュアル本を経てMEN'S NON-NO、FINE BOYSなど「どういうときに何を着るのか」という悩みへの回答需要があるということ。

僕も含めて被服費の少ない(他にお金を使ってしまう)人間にとっては、自分だけの密かな「ファッションアドバイザー」が特に欲しいよねえ。コレ前述の「ムード盛り上げ楽団」と同じ。いろいろお騒がせないちからはじめるファッション入門マニュアルとか脱オタクファッションガイドなんていうのが話題になるのもそういうことじゃないの?

で、技術的にはテキストベースだけでは少し辛いので、iPodビデオの画面を利用して、「今の気分」タグによって、持っている数少ないワードロープをシャッフルして表示してくれたり、価格帯を予め指定しておいて「ご予算xxxx円でしたら、ユニクロのXXXを組み合わせればもう少しマシになります」とかお薦めされたりするって寸法で。そしてそれはトンでる特定の人の意見というより、Wisdom of crowdの意見だと尚良いかなと。

とはいえ、今はそれ以前に「シャッフルする最低限度を下回っています」というエラーメッセージが出るな、たぶん orz...。

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